第2回 ウマ政

どうもZnです。

 

皆さんご存じウマ娘というゲームがありますね。

パワプロの監督モードみたいに進めていく育成ゲームで、スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さという5種の基本ステータスを伸ばしながら、特殊スキルを獲得しつつ、目標レースのクリアを目指していくシナリオとなっています。

監督モード同様、育成では選択肢がありますが、レースでは祈ることだけしかできません。勝率を上げることはできても確実に勝利できるとは限らないのです。

 

育成ではサポートカードと呼ばれる5種ステータスのいずれかに特化したカードを最初に6枚編成し、以降、各ターンの行動を選択していくことになります。

各ターンの行動には

①トレーニン

②レース

③休む

④お出かけ

⑤保健室(特定時)

の大きく5つの選択肢があります。

 

①トレーニングは5種ステータスのいずれかを特化して伸ばすものです。

②レースは順位に応じてファンの数を獲得し、スキルポイントも獲得できます。

③休みではトレーニング等で消費した体力を回復します。体力が一定値を下がるとトレーニングの失敗率が上がるため、注意が必要です。

④お出かけでは体力を少し回復し、やる気を上げる。やる気が上がるとレース時に5種能力が最大で20%上昇し、またトレーニングの効率も上がります。

⑤保健室はバッドステータス(やる気や体力が毎ターン一定の確率で下がってしまうものなど)を獲得してしまったときに一定の確率で解消してくれます。

 

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さて、今スピードとスタミナにサポートカードを3枚ずつ配置したとしましょう。

上画像のような局面でとるべきベストな選択肢は何でしょうか。

スピード・スタミナに重点を置いたサポートカードにしたのだからスピードやスタミナの練習をしたい(∵5回練習するごとに練習レベルが1段階ずつ、最大5まで上がり、練習効率が上昇する)。

一方で絆ゲージ(右画像の右上のキャラクターアイコンの下にある右下のバー)を上げることで、友情トレーニング(一定以上絆ゲージを上げることで、より効率の高いトレーニングができる)の確率を高めたい。

体力を回復して次のターンにスピード・スタミナにもっと人員が集まるのを待ちたい。

……など様々です。

 

このようなとき私は大体いつも期待値の計算を試みます。

つまりトレーニングの失敗率から成功率を算出し、それを得られるステータス値にかけます。そうして得られた数値が、いったん休んだ時よりも大きければ実行、そうでなければ休む、とこんな感じです。

スピード・スタミナに重点を置くとしたのにパワーなど別のトレーニングを行ってしまうと、その分将来Lv.5のスピード・スタミナのトレーニングを行う回数が一回減ってしまいますから、それもまた比較衡量の対象になります。

 

当たり前ですが友情絆ゲージの上昇具合やレースでの勝利期待値、体力の回復度合いなども考慮すると、一個人では正解を導き出すことなど到底できません。

したがって現実には経験則に従って行動していると思います。ヒューリスティックってやつです。

 

このように人間は全知的な合理性を発揮することはできません。従来の経済学が前提としてきた経済的人間から、制約された合理性を持つ人間として経営的人間を想定すべきだと主張したのがサイモンでした。つまり人間は意図において合理的だが、過程及び結果においては合理性が制約されているということです。当然意図が十二分に実現されるとも限らないわけです。

 

しかしながら世間は世知辛い。

説明責任やコンプラの徹底を要求し、意思決定時点ではわかっていなかった事象であっても当然予見できたはずだと後から非難をされることもあります。(いわゆる後知恵バイアス)

その結果、行政官は尻尾をつかまれないような理屈を予め用意したうえで政策決定を行うようになります。これが公共的人間と呼ばれるモデルです。

 

こうした傾向がもたらす帰結は何なのでしょうか。 

リスクを伴う新しいチャレンジを敬遠させて事なかれ主義につながり、またコンプラへの過剰なこだわりが大局的な観点を失わせるといった問題を生むでしょう。

行政のシステムも問題が山積みですね。タイヘンダー。

 

 

飛躍が随所にある記事でしたが、書いていて楽しかったです。皆さんもウマ娘の広告などを見かけたら、ぜひ行政にも思いを馳せてみてくださいね。